雑談力というものは恐らく、人生経験豊富な年配者にあるのでは?と思いながら本書を手に取りました。目次を捲りながら(読まなくていいかな)買わないでおこうと一旦置きかけたものの、思い直して購入しました。
購入した理由
- 2010年発売の書籍が第20刷を発行、35万部突破で週間ランキングにも掲載されている。(多くの人が雑談力を身につけたいと思っている?)
- 営業畑を歩いてきたので、雑談力はあると自負している。
(自分の雑談力ってどの程度か確認できる?) - 著者が執筆した三色ボールペン情報活用術にノックアウトされ、実践している。
(久しぶりに齊藤氏の本を読んでみよう)
自宅に持ち帰り、一気に一読。
読後の感想
雑談の必要性から始まります。「雑談なんて意味がない、時間のムダ」と考える人への一撃も。そして雑談のルールやマナー、雑談の鍛え方や学び方、その意義と続きます。
全編に渡り、うなずいていました。
ビジネスで営業方面にいらっしゃるなら、雑談が受注をスムーズにする潤滑剤となることに異論はないでしょう。また、相手に話してもらう(聞き手にまわる)というスタンスも一般的なこと。ビジネスシーンで役立つ雑談のマナーが掴める内容だと思います。
「私、お母さんたちのグループで黙ってばかり…」そう感じている人もこの本で元気になれると思います。
悶々としていたことがスッキリするんじゃなかろうか。と感じる、わかりやすい切り口。「これよ!これ!」と思ったら付箋紙貼っていつでも再読。そんなことが頭に浮かびました。
自分は雑談上手なのか?といえばそうでもなさそうです。人生経験が長いと初対面の相手でも、それまでの経験、固定観念から譲れないことには否定的になりそうです。
否定すれば話しはそこで終了。本書では雑談は中身のない意味のある話としています。長々続ける必要も結論を出す必要もない雑談なら、いきなりの否定はNGと諭されます。
雑談が得意という人ほど読んでほしい
雑談が得意と思っている人ほど読んでほしいと思いました。
コミュニケーションは複数の人間ですること。雑談が得意な人もいれば苦手な人もいる。雑談が得意な人が本書でその意義を汲みとることができれば、苦手と感じている人に手を差しのべられるだろうと考えるからです。そのこともしっかり書かれています。
いじめの問題とリンクさせて考えれば、いじめられている人に手を差しのべられるのは、「社交的で雑談上手なあなた」ではなかろうかと思うのです。
さいごに
本書は雑談というコミュニケーションが題材であることから、人同士の関係を表わす記述もあります。それらをこれまでの交流関係に当てはめて「自分はあの時こういう立場でいたんだなぁ、あいつはあの時は…」など、含み笑いもしながら読むこともありました。雑談は万人に共通なものですね。
ビジネス書の分野であるものの、年齢を問わずたくさんの人がこの本に触れるといいなと思いました。雑談は生きる力と説く本書で、雑談の意義を感じ取ってみてはいかがかでしょうか。
余談ですが、ボールペンを持って読み始めたものの途中でペンを置いてしまいました。既に文中のいくつかに傍線と太字の処理がされていたから。次に開く時にはしっかりペンを持ちたいです。