小学校入学時の贈りものは肥後守(ひごのかみ)

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肥後守(ひごのかみ)

– 肥後守 小1から – (12月5日読売新聞朝刊 39面)より

小学校の入学時に肥後守を贈る学校があるそうです。肥後守は日本の伝統的な刃物ですね。父が小学生の頃はこれで鉛筆を削ったそうです。

電動式の鉛筆削り機の普及などでその姿を学校で見ることはなくなりましたが、1983年に当時の学校長が「子どもの集中力を高める効果」を訴え、保護者を説得し復活させたそうです。「刃物を使いこなすだけでなく、道具を使う緊張感や作りあげたの達成感など様々な感情が生まれる。人に向けてはいけないという倫理観も育つ。」と現在の学校長も伝統を受け継いでいるそうです。

28年前に始まったことが今でも受け継がれているのですから、先生方が肥後守教育のメリットを確信しているのでしょう。また、保護者の協力・理解が継続的に得られていることには驚いてしまいますし、羨ましくも感じます。

 

自分の子どもの学校で、同じことを実現するのはとても難しいことと感じました。

 

記事によると、子どもたちは毎日自宅で鉛筆を削ることを課せられているようです。登下校時にランドセルに肥後守が入っている事もあるでしょう。それを考えただけで、肥後守が不審者によって子どもたちを脅かすことになりはしないだろうか?そう思う保護者の数は少なくないはずです。PTAは真っ先に反対することでしょう。指導をする先生方ももし大きな怪我をすることになれば、責任を追及されることにもなりかねないと考えるかもしれません。

PTA活動の優先事項は子どもたちの安全です。元気に学校に行って元気に帰ってきてほしい。それが第一です。

横断歩道で保護者が旗をふります。交通安全の看板を制作して学区に設置します。100件以上の「こども110番」の家庭や会社が登録されています。警察署や建設局に危険箇所の修繕を求めます。通学路で工事があれば登下校の時間帯に工事車輛の通行禁止を求めます。地域協力者が町内を巡回します。不審者が出れば先生方も町に出ます。不審者情報がメールで配信されてきます。保護者が毎日のように学校に迎えにくることもめずらしくありません。

子どもたちはとても守られています。社会の変化、子どもたちに対する脅威が保護者のすることを変えてきました。危険と思われることは排除する傾向にあります。しかし、危ないことでも成長するために経験したほうが良いこともあるのだということをこの記事を見て再認識しました。その役目は子どもの成長を願う親に課せられるべきことなのでしょう。

うちの子はスカウト活動をしているので肥後守を持っています。鉛筆を削ったことはなさそうなので、一緒にやってみようと思いました。